2013年7月11日木曜日

エッセイ科目の勉強法

 Essay科目についても、MBE科目と同じノートを使用しました。加えて、適宜、Miniを参照しました。また、「英米法辞典」(東京大学出版会)をこまめに参照しました。

 全部に同じように時間をかけることができなかったので、ターゲットを絞り、苦手意識があったり理解が曖昧な論点について、特に優先して理解するように努めました。

 Bar Briの問題集に掲載されている問題については、BarBriのオリジナルのものと過去問とがあります。私は、まず、BarBriのオリジナルの問題を検討し、次に過去問を検討しました。濃淡はありますが、全て検討しました。 なお、巷に流通していた元受験生の答案構成は一切使いませんでした。答案構成を読んだだけではどのように記載したらよいかわからなかったからです。その代わりに、BarBriの模範解答をしっかり読み込むようにしました。読み込みの際は、法律構成の部分もさることながら、当てはめの部分に着目して検討しました。

 また、過去の受験生が作成した論証集・定義集を6回ほど読みました。

2013年7月10日水曜日

MBEの勉強法

今回はMBE対策について書いてみたいと思います。

The Multistate Bar Examination (MBE) は、 National Conference of Bar Examiners (NCBE)によって作成された、全州共通の択一試験です。

エッセイが苦手な人は、MBEで点数を稼がないと合格が困難であると言われています。

概要
  200問、6科目(Tort, Contracts, property, Criminal law and procedure, constitutional law, evidence)
  2日目の午前・午後各100問ずつ、合計200問。時間は、午前・午後各3時間。
  4つの肢から選択する択一式。10問はダミー問題でカウントされない。
  各科目33問又は34問。

取り組み方としては、ノート等インプット教材を読んだ上でひたすら問題を解くのが良いと思います。

インプット教材
私が主として使用したのは以下の教材です。
  Bar Briのノート、CMRExam Tip
  MBEの知識をまとめた日本語のノート

問題演習教材
私が使用した教材について多少コメントします。 
   Bar Briの問題集: 私は、BarBriStudy SmartというWEB上のアプリで解きました。BarBriの問題集は重くて持ち運びが不便だったこと、また、Study Smartは間違えた問題を記録してくれるので、演習問題管理に便利だったからです。
 なお、1冊目の6セットのうち、5、6については不要という意見もききますが、私の場合はほぼ解きました。また、2冊目に該当する問題も解きました。
  Bar Bri模試:これは必須だと思います。少なくとも一度は本番と同じ時間配分で模試を受けるべきでしょう。
  MBE Edge: オンライン演習教材。Study Smartと同じようなシステムです。問題量を増やしたいと思い、取り組みました。
PMBRの赤本: 使いませんでした。分厚くて持ち運びがしにくいこと、また、MBE Edgeも解いていたので、こちらまで解く余裕がなかったからです。

なお、私自身は過去問を解きませんでした。解かずとも合格は可能ですが、本試験の問題はやはりBarBriと若干異なるので、解いても良いと思います。

解き方
解き方については、以下の点に留意しました。
  質問を先にざっと読むことにより、何が問われているのか、何の科目かを推測する。
  次にFact Patternを読む。4つの選択肢を注意深く読む。
  肢切りに慣れる。
  空欄を残さない。誤答で点はマイナスされない。全部解くこと。正解だけがカウントされる。


2013年7月6日土曜日

受験勉強に関する情報はどのように収集するか

  • The New York State Board of Law Examiners : ニューヨーク州司法試験委員会。NY Barを実施する機関のページ。試験情報はここで公表されています。オフィシャル情報についてはここで確認しましょう。
  •  日本人ネットワーク : 日本人の情報網は目を瞠るものがあります。勉強の教材(過去の合格者のノート等)から受験地、ホテルに至るまで、先達のノウハウが相当蓄積されています。さすが勤勉と言われる日本人ですね。国民性か、それとも英語力のハンディがある分頑張るのでしょうか。いずれにせよ、日本人の真面目さや努力する姿勢はすごいなぁと思います。こういった情報は、留学後に自然に日本人仲間から回ってくるので、日本人のネットワークに所属しておけば、留学前はそれほど心配する必要はないと思います。
  • Law School:  どの科目が受験資格要件を満たすのかは各学校によって異なるため、科目履修登録前に確認しておきましょう。各学校ごとにサイトなどで公表している筈です。
  • 受験予備校: 秋学期に学校で説明会を行うことが多いと思います。私はBarBriしか使っていないので他校はわかりません。なお、日本の予備校ほど手取り足取りやってくれるわけではないので、過度な期待は禁物です。
  • その他関連リンク: 受験勉強中はさしたる参照は不要かと思いますが、ご参考までに。

2013年7月2日火曜日

合格率について

NY Barの試験委員会は、毎回試験の合格率(Pass Rates)を公表しています。2012年7月と2013年2月の合格率は以下のとおりです。 


New York Bar Examination Pass Rates July 2012



New York ABA Schools - First Time Takers 85%  
Out-of-State ABA Schools - First Time Takers 82%  
All ABA Graduates - First Time Takers 83%  
Foreign-Educated - First Time Takers 46%  
All Foreign-Educated 36%  
All First Time Takers 76%  
All Candidates 68%



New York Bar Examination Pass Rates February 2013



New York ABA Schools - First Time Takers 73%  
Out-of-State ABA Schools - First Time Takers 76%  
All ABA Graduates - First Time Takers 75%  
Foreign-Educated - First Time Takers 36%  
All Foreign-Educated 30%  
All First Time Takers 64%
All Candidates (First Time Takers & Repeaters) 50%



外国人受験生については国籍までは特定しておらず、一括しているので、日本人の合格率についてはわかりません。

全体の合格率については、2012年7月は68%と例年通り70%前後です。これに対し、2013年2月は50%とやはり低い数字です。これは2月受験者は7月不合格者が多い為、元々母集団のレベルが7月受験生と異なることに求められるのではないかと思います。
一方、外国人については、7月は36%、2月は30%と低いです。ABA School出身者の合格率には外国人受験生も含まれていると思いますので、JDの実際の合格率はもっと高いのではないかと想像します。

JDの人たちは「NY Barなんて簡単さ」という風情で、受験期間の2ヶ月間のうち本気で勉強するのは直前の数週間だけのようです。これは、もう、次元が違う人たちのものだと思った方がいいです。外国人LL.M.生は、やはり、2ヶ月間本気で頑張らないと難しいと思います。

とはいえ、外国人の場合でも初回受験生についてみれば、7月は46%と、半分弱は受かっているようです。(勿論この外国人の中には他の英語圏出身の学生も入っていますし、日本人の合格率自体は明らかになりませんが。) 外国人だからといって殊更にひどい結果が出ているというわけでもないので、悲観的にならず、粛々と勉強すれば良いと思います。